ノリーズ ロードランナー VOICE LTT 690PH

かなり久々にロードランナーインプレッションの番手を追加しました。

690PHもリリースから数年経っていますが、昨シーズンかなり使い込んだので待望の(?)記事化であります!

パラボリックヘビーとは?

現代のバスフィッシングにおいては、「への字」に曲がるファーストテーパーのロッドが流行りだと思います。690PHはその真逆をいく、「全体的に少しずつ曲がる」テーパーを持ったヘビーパワーのロッドです。

軽い負荷ではあまりロッドが曲がらず、負荷が大きくなるにつれて、ブランクス全体で負荷を受け止めるように曲がります。ゆっくり曲がってゆっくり戻るので、重いルアーでもリリースタイミングを掴みやすいのがこのロッドの1番の特徴だと思います。

昔のロードランナーシリーズにもラインナップされていたパラボリックテーパー

オールドファン、というと怒られてしまうかもしれませんが、昔ながらのロードランナーファンの方の中には600SDM(ピッチンシェイク)や600SDH(スピナーベイト&ソフトジャーク)などのスモールダイアメーターシリーズを愛用されていた方も多いのではないかと思います。

余談ですが、かれこれ20年ほど前に私が初めて購入したロードランナーは、アウトバックのピッチンシェイクでした。電車で八丁堀のgooberまで行って、購入時に荻野さんか検品をしてくれて、大事に大事に持って帰ったのをよく覚えています。その辺の話は、下記ルアーニュースRさんの記事でどうぞ!笑

初めまして!ノリーズプロスタッフの津輕辰彦と申します!この度ルアーニュースRに寄稿させていただくことになりました。 初回ということで、自己紹介を兼ねてノリーズのロッド、「ロードランナー」についての話をさせていただきます。 田辺哲男さんとの出会い 私とロードランナーとの出会いは小学生の頃まで遡ります。 6歳の時、テレビ番...

スモールダイヤメーターシリーズの中でも600SDHは特にパラボリックなアクションで、ムチッとした調子のロッドでした。

話が逸れましたが、上記の番手をご存知の方からすると、690PHは600SDMや600SDHのロング&ヘビーパワー版と考えていただくとイメージしやすいと思います。

とにかくトルクフルな690PH

ロードランナーシリーズを捌きやすい番手(=ロッドワークが得意)とトルクフルな番手(=リーリングによるラインテンションの調整が得意)に分けるとすると、PHは間違いなくトルクに振ったロッドです。

※そもそもロードランナーシリーズはトルク感が強いですが、その中でも性格が異なる番手があったりします。この辺の話は下記の記事をご参照ください

ブログを更新していなくても一定量のアクセスがあるのが、「ノリーズロードランナーシリーズのインプレ記事」です(更新しなさい!)。 ...

690PHで気持ちよく扱えるルアー

いきなりですが、私の中でフカベイトのタックルは690PHにナイロン20~25lbが至高だと思っています。

引き抵抗がないルアーなのでキャストフィール重視の選択ですが、伸びるナイロン(とはいえ太めを使うので伸びは少ないですが)でもフッキングをキッチリ決めるためのトルクも持ち合わせています。

私の持論として、

バイト時にフックが魚の口の中に入るルアーは巻きあわせ(=ロッドが柔らかくてOK)、逆にバイト時にフックが口の外にあるルアーはロッドでフッキング(=硬めのロッドが必要)すべきと考えています。

つまりスピナーベイトやバズベイトはロッドが柔らかめでも巻き合わせすればフッキングしますが、ヒラクランクギルやフカベイトなど口の中に入ることが少ない表面積が大きめのルアーは硬めのロッドでフッキングしてあげないとなかなか掛かりません。

前振りが長くなりましたが、トップウォーターなら大きめのリーリング系ベイトが扱いやすいです。

フカベイトやジョイントフカベイト、バズジェットあたりが使いやすいです。ゆっくり曲がってゆっくり戻るロッドなので、ルアーが飛んでいくスピードが速くありません。よって着水音を抑えるのが極めてイージーです。

マグナムクランクは投げやすく、巻きやすい

690PHがリリースされた頃の印象といえば、「ストーミーマグナムを投げる田辺さん」ではないでしょうか?笑

マグナムクランクの特徴として、「重い」「引き抵抗が大きい」の2つがあります。この2つの特徴により、身体への負担が大きくなりがちですが、690PHの分厚いトルクと全体的に曲がるパラボリックテーパーが解決してくれます。

キャスティングに関しては先述した通り、重いルアーでもロッド全体が曲がることで、ゆっくり曲がってゆっくり戻ってくれます。

これがファーストテーパーのロッドだとどうなるか。テイクバック時を考えるとわかりやすいと思います。

まずティップが曲がり出しますが、ベリーに重い物を背負えるだけの硬さを残さないといけないので、早い段階でロッドの胴にウエイトが掛かりだします。でも胴はあまり曲がろうとしないので、手首でルアーのウエイトを支えないといけません。

リーリング時も同じことが言えます。マグナムクランクの引き抵抗をパラボリックテーパーにより、ロッド全体で受け止めて手首への負担を減らしてくれるのです。

重いルアーや引き抵抗が極めて強いルアーを投げ続けるためには、このテーパーデザインが重要な役割を果たしてくれるわけです。

その他着水音を抑えたいヘビー級のルアー、引き抵抗が大きいものなら何にでも!

大きめのトレーラーを装着した1oz超のブレードジグやスイムジグなどにも使いやすいと思います(H-1で使えないので私は試していません)。

「引き抵抗強めの重いリーリングベイトでフッキングパワーが必要なルアー」であれば高次元で対応してくれるのがノリーズロードランナーVOICE LTT 690PHであります!