今回の新利根川戦が難しい判断だった理由とミスジャッジの原因

※詳細を書いているうちにどんどん記事が長くなってしまい、鮮度が落ちていく一方でしたのでとりあえずでアップします。写真、あえてなしです 笑

今回のH-1グランプリが難しい試合だった理由は2つ

◆トーナメントエリアが広大すぎる

新利根川戦のトーナメントエリアは最も霞ケ浦本湖寄りの妙技の鼻から新利根川最上流までで全長約20㎞です。

ちなみにレンタルボートのスピードはというと、ローボートに82lbなら概ね時速7kmほどです。向かい風だったり流れがあったりすれば、さらに遅くなります。

松屋ボートから妙技の先端まで約3.5㎞、よく上流エリアのひとつの指標とされる圏央道まで約10㎞。再上流の柴崎堰まで約15㎞。

ちなみにあくまで目安ですが、亀山ダムの小櫃川最上流(折木沢上流)~笹川最上流までは約5㎞。

亀山ダムの端から端までを往復してようやく上流エリアにたどり着くようなイメージです。

ざっくり計算すると、スタート地点の松屋ボートから圏央道エリアまで約1.5時間、最上流までは2時間以上掛かることになります。

試合時間は概ね7時間。

仮に妙義の鼻まで行き、1時間キャストして松屋ボートに戻ってきたとして2時間経過。そこから圏央道エリアまで行って3時間半、1時間釣りして1時間半掛けて戻ってきて6時間。

しかし、実際にはカレントや風があったり、ライブウェルに水が入るとボートが沈み抵抗が増えたり、そもそもずっと全開にしてたら簡単にエレキが焼けたりで、時速7kmも出ていない時間が長いです。つまり上記のスケジュールでも帰着に間に合わない可能性が大いにあります。

とどのつまり、妙義エリアと上流エリアは試合で両立しないのです。

◆今回のH-1グランプリ新利根川戦は、「春の大潮直後」だった

今回のH-1新利根戦前の潮の状況ですが、木曜日から試合当日の日曜日にかけて大潮でした。

時期を考えれば、スポーニング絡みの魚がどんどん差してくる可能性が大いにありえます。

しかも先にプラクティスに入った知人によると、水曜日の水温はなんと20度。今回の大潮で一気に差してくるだろう、と読んでいました。

これには裏付けがあって、ちょうど2年前、2017シーズンのH-1初戦が新利根川で開催されており、プラクティスに2日半、試合の翌日にアザーセルフの撮影と、試合を入れて4日半連続でこの時期の新利根川を釣りをしていました。

この時は試合は4位だったものの、優勝のMPBルアーズ代表櫻井さんは破壊的なウエイトを持ち込んでいました。私はというと、今回の上位陣がメインエリアとしていたいわゆる上流エリアでクイックリミットを揃え入れ替えした後に中流域の矢板インサイドでペアリングしている魚を多数目撃。試合中にどんどんスポーニングが進んだものと見られました。

新利根川のざっくりとした季節感として、下流ほど進行が早く、上流ほど遅いと捉えています。

この試合で私が上流で釣った魚はプリスポーンのメス(サイズはあまり大きくない)とベッドを作る前のオスでした。

一方、櫻井さんの魚は既に産卵が始まった後のメス(新利根では特大と言っても良いサイズ)と判断。

よって撮影日は既に産卵が始まっているであろう下流エリアをメインにすることにしました。2日半のプラも含め、事前には一切魚を触っていませんしバイトもありませんでしたが、いわゆる半プリの魚に照準を合わせて撮影に臨みました。

これが大当たりで、キャスト〜バイトシーン〜ランディングまでしっかりカメラに収まった魚を含め、バズベイト、フローティングジャークベイト、ビッグバドでバイトを得ることができました。しかも試合で釣った魚よりもサイズが良かった!

プラクティス金曜日午後

話は今回の試合に移ります。

今回は試合前の木曜日〜試合当日の日曜日までが大潮、かつ水温が20度に迫っているということで、一気にスポーニングが進み、半プリの魚が日に日に増えて行くだろうと予測していました。

プラ初日の金曜日、かなり濁ってはいるものの、スポーニングエリアのバンクを覗きに行くと例年ベッドができるエリアにオスと思しきバスがあっちにもこっちにも…。

これを見て季節感を判断。もう第一陣の産卵は終わり、エッグガードのオスがたくさんいる状況だろう、と。

これは2年前の初戦と同じ状況。つまり、上流エリアのスモールクランキンでクイックリミットが揃い、なおかつそれが上位に食い込むパターンである可能性が高いと考え、この日は12時半頃に松屋ボートさんから出船しましたが、ほとんど釣りをせずに、圏央道の2つ先の橋までをひたすら移動。丁寧にやっている時間はとてもないので、ところどころ気になるエリアはエレキのダイヤルを6くらいまで下げ、高速でチェックしました。

すると大きくないものRTO0.5DDで2本ポンポンとキャッチ!

ざっとエリアをチェックして、この日を終了しました。

◆プラクティス土曜日

翌土曜日は朝から爆風&冷え込み。

スノヤワラ&妙義水道をチェックしに行きたかったのですが、あまりに風が強いので新利根川の最下流部で風が弱まるのを待つことに。

程なくしてレイダウンミノー110JPでオスと思しき500g程の魚をキャッチ。ブレイクがバンクにかなり寄ったところのシャロー側でロングポーズ中にバイトしたこととお腹が出ていなかったため、やはりオスだろうと判断。

そうこうしているうちにオリキンさんがスノヤワラに突入するのを見て私もGo for ヤワラ 笑

30インチ前後が主流の昨今のレンタルボート用エレキシャフト長ですが、私のエレキのシャフトはあえて少し長さを残しており34インチにしてありますが、これは荒れた時にキャビることなく安全に航行するための策であります。

そのまま妙義水道に突入し、水深のあるバンク際をこするようにシャローロールを引くと数投で1200gのメスをキャッチ!近くに人がいたことと荒れていたため、ザクッとウエイトを測ってすぐにリリース。この魚は一度産卵を済ませたいわゆる半プリだろうと判断。

数投で釣れてしまったため、深追いはせずにスノヤワラに戻り、今度は水中に伸びた馬の背をチェック。RTO0.7の高速引きで800g。これがグッチ山口氏が通りがかった目の前でバイトしてしまい、キャストから合わせまで丸見え 笑

誤魔化せなかったので写真をパチリ。この魚も半プリと判断し、チャチャっとリリース。

その後は一度ヤンさんとDSTYLEラッツ先輩と松屋さんで昼食をとり、午後は川の中流域をチェックしに行きますが、何の反応も得られず。半プリの魚なら、スポーニングエリア周辺のカバーなどで休んでいるはずと考えられるエリアをチェックしていきますが反応なし。イマイチ煮詰めきれないままプラクティス終了となりました。

試合のプラン

試合のプランをどうするかは非常に悩ましく、前述したように妙義水道の先端エリアと川の上流エリアは試合に両方組み込むことはできません。

迷いに迷った挙句、上流の魚が400〜500gと小さかったことから妙義水道でキロアップをキャッチすれば上流の魚2本分に相当すると判断。朝からスノヤワラ&妙義水道に突っ込むことにしました。

◆試合当日のプラン変更と迷走

昨シーズンから導入されたフライトカードの抽選運がなく、5つあるフライトのうち私は第4フライトに。松屋ボートさんから一気に下流に向かいスノヤワラへの出入り口の水門を抜けて少し経つと異変に気付きました。

「水がブクブクに泡立っている…」

前日の爆風から一変、この日は割と静穏モード。冷え込みもキツくはありませんでした。ただし、昨日は晴天、試合当日の朝はローライト。

ローライトの朝のうちなら何とかなるのではないか?とそのまま妙義水道に突っ込みますが、やはり泡ブクブク、風はなし。そして水位が20cmほど減っていることに気づきました。シャローロールを投げるも数投で強すぎると判断しクランキンにシフト。減水により沖のブレイクに避難したかもしれないとボートポジションを沖に取りRTO0.5DD、RTO0.7、ワイルドハンチ、ショットフルサイズをローテーションしていきますがバイトはなく、早々に川に戻り、可能な限り上流を目指すプランに変更。

ただし、前日までもう一つの選択肢としていた上流エリアまでの所要時間と妙義の鼻までで消費してしまったバッテリーの残りを考えると、目的のエリアまで行ってエレキスピード8程で流して即帰ってきて帰着に間に合うかギリギリの計算でした。

仕方なく圏央道の下の橋のあたりで遡上を止め、ベンドのアウトサイドやブレイクが寄っているエリアを各クランクベイトでチェックしていきますが反応なし。

ラスト1時間、少しは半プリの魚が浮いたかな?とボルケーノグリッパーとビッグバドを試しますがノーバイト。

魚の動きが全く追えないまま試合が終わってしまいました。

◆大いなるミスジャッジ

ウェイインが始まり、耳にしたのは3本揃えているアングラー、達が軒並み上流エリアを釣っていたという事実です。

そしてわかったのは、魚の状態を把握し間違えていたこと、それに伴い狙うべきレンジを間違っていたということでした。

大潮真っ最中かつ水温20度弱ということで、金曜日のプラクティスで私が確認した魚はてっきり産卵後の卵を守っているオスだと思っていました。

しかし実際にはまだ産卵はほとんど行われておらず、ベッドエリアの周辺をウロウロしているにとどまっていた、というのが正しい判断だったのだと思います。

このミスジャッジは釣った魚の観察が足らなかったことに起因します。

バスは複数回に分けて産卵を行うと言われていますが、いわゆる半プリのメスは、往々にして卵が付着していることから状態を判断できます。

今回プラクティスでキャッチしたメスと思しき魚ですが、周囲に他の選手がいたりでじっくり観察していませんでした。

「エッグガードのオスがいるんだから、半プリのメスに違いない」と思い込んでいた感があります。

今思い返してみれば、私がプラクティスでキャッチした魚はどれも魚体、特にヒレがきれいで、スポーニング前の魚だったんだと思います。

今回優勝した松村さんの魚を見ても、1尾だけはヒレが傷ついていて半プリかな?といった感じでしたが、他の2尾はまだ艶々とした魚体でした。

スポーニングの進行状況と上流のポテンシャルを見誤ったことにより、大外ししてしまった試合となりました。

H-1グランプリにフル参戦して6年目ですが、新利根川で初めてのゼロ申告でした・・・。

◆魚のポジションを整理する

この時期の魚のポジションについて整理します。春めいた陽気が強まって行くと、1段ずつシャローに向かっていき、最終的にはスポーニングフラットで産卵するわけですが、産卵直前はオスメスで違った動きをします。

※あくまでも私の経験に基づく解釈です。セオリーと異なる部分があるかもしれませんし、学術的な裏付けがあるわけでもありませんので、あらかじめご承知おきください。

オスはスポーニングを意識するようになると、ベッドを作る場所を探しにスポーニングフラットをフラフラと泳ぎ回ります。

ベッドが出来た頃、メスもスポーニングフラットにやってきて、パートナー探しをはじめます。また、何がしかのカバーの傍に浮いていることが多くなります。

これが三寒四温のタイミングと重なることが多く、寒の戻りが来るとオスは一段下のブレイクに落ちてやり過ごしますが、

既に一度シャローに上がった抱卵したメスはシャローのボトムにレンジを下げたりブレイクの下に落ちることはまずありません。

なぜならば、お腹に寄生虫などが付着するのを避けるためです。また、前述した「浮いていることが多い」のは、太陽光で卵を温めたいからです。

相模湖など、比較的魚が良く見える水質のリザーバーで、びっくりするほど浅いレンジにメスが浮いていることが多々ありますが、通常であればそんな行動は取らないと思います。空中の天敵である鳥や我々アングラーに発見されるリスクが高いためです。

リスクを冒してでも卵を温めたいのがこの時期のメスなんだと考えています。

また、今回試合中に全くメスとリンクできなかったわけですが、これはおそらく減水によりやや沖の何かに浮いている傾向が強かったのだと思います。

スポーニングフラットをメインに探っていた私はバイトを得られず、沖のブレイクも探りましたがメスが浮くレンジよりも下のレンジを探ってしまっていたためバイトがなかったものと思われます。

実は今回の試合が終わるまで、私はオスもシャローに残るものだと思っていましたが、どうやらそうではないようです。

それを悟ったのは試合の終盤。サイトフィッシングをする気はさらさらありませんでしたが、金曜日のプラで多数のオスを確認したエリアを通りかかると、魚が1匹たりとも見えなかったのです。つまり、一度上がったものの、土曜日の朝の冷え込みによって一段したへ落ちたものと思われます。

また、試合中に魚をキャッチしているアングラーを見ると、割と潜行深度が深めなシャッドでキャッチしている光景を何度か見ました。

これも下に落ちたオスだったのだと思います。

非常に良い勉強になりました。

◆過去に見てきた魚たち

~プリメス~

上記のスポーニング状況進行別の魚ですが、過去自分や他のアングラーが釣ったナイスフィッシュを思い出すと、バッチリ当てはまります。

・アングリングバスの取材で訪れた4月初旬の新利根川でキャッチした50up

妙技の鼻のブレイクに絡んだ縦ストでクリスタルS1/2ozで、

水深3mほどのエリアの70㎝程のレンジを引いてキャッチしました。おそらく沖に浮いていたプリのメスですね。

・2018年H-1グランプリ初戦津久井湖で北さんがキャッチしたナイスフィッシュ×2

北さん曰く、「シャローフラットへの上がり口」でキャッチしている魚。魚体やバイトポジションからしてプリメスで間違いないでしょう。

ヤンさんプロデュースのカンベイツのスピナーベイト・ブラストのダブルインディアナでキャッチ(カラーはど派手なオレンジ)。

・2017年のH-1グランプリ初戦相模湖のプラクティスで巧くんがキャッチした50up

スポーニングフラットの手前にある大きな浮き物に浮いていた魚をヒラクランクギルでキャッチ。

こちらも魚体とポジションから察するにプリメスだと思われます。

~半プリ~

・アザーセルフの動画撮影で訪れた4月下旬の新利根川でキャッチした40up

新利根川の最下流エリアのスポーニングフラットでボルケーノグリッパーでキャッチ。

卵が出ているのを確認。

・15年ほど前、おじゃが池のバンクフィッシングトーナメントでキャッチした40up

スポーニングフラットをビッグバドで流してキャッチ。やはり卵が出ているのを確認。

◆私の引き出し

スポーニング進行状況別私の引き出しとしては、

・プリメスを釣るにはレンジを合わせる

・半プリにはノイジーなルアーを

・アフターにはポッパーなどの弱めのトップを

といった感じです。

あまりに長くなってしまったので、この辺は機会があればまた記事にしたいと思います!